富士ヒルクライムにおける○○はマラソンにおける△△に相当する
きっかけ
自転車界のカリスマであるところの高岡氏が以下のようなツイートをされていた。
マラソンサブスリーってフジヒル換算すると何分くらいの難易度?
— Akihiro Takaoka (@RX_Takaoka) 2022年2月6日
また、友人であり超人ラブライバーであるところのUG氏 (@gr8distance) と話していた時に疑問に思っていたところでもあり、調べてみることにした。
やったこと
富士ヒルクライム2021の結果と金沢マラソン2021の結果について比較検討した。
データは男性完走者のみを参照して算出した。
ただし、各フィニッシャーリングの達成率については公式HPを参照したため、結果に多少の齟齬が発生している。
結果
富士ヒルクライム ⇒ 金沢マラソン
富士ヒルクライムでは達成タイムに応じてプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズと称号が与えられるため、それに準じて検討を行う。
まず、各称号の達成率は以下を参照し、次の通りであると判明した。
【第17回Mt.富士ヒルクライム】数字でみる富士ヒルクライム【ファンライド】
各フィニッシャーリングの獲得割合
男子
プラチナ……0.6%
ゴールド……1.8%
シルバー……11.5%
ブロンズ……26.8%
これを金沢マラソンに当てはめると以下の通りとなる。
プラチナ相当: 45 ~ 46位 2°31'
ゴールド相当: 135 ~ 136位 2°43'
シルバー相当: 868 ~ 869位 3°19'
ブロンズ相当: 2023位~2024位 3°53'
ただ、金沢マラソンの結果は男性のみで計算しているので、富士ヒルクライムについても男性のみで達成率を検討すると、15 (0.34 %), 103 (2.3 %), 641 (14.9 %), 1871 (43.4 %)なので、
プラチナ相当: 25 ~ 26位 2°28'
ゴールド相当: 173 ~ 174位 2°46'
シルバー相当: 1125 ~ 1126位 3°26'
ブロンズ相当: 3277位~3278位 4°24'
となる。どちらかというと、こちらの方が体感的にはしっくりと来る結果ではある。
マラソン記録 ⇒ 富士ヒルクライム
では、マラソン記録でのサブ△△は富士ヒルでのタイムに変換するとどれくらいだろうか?同じく割合を軸に検討を行うと以下のようになる。
サブフォー 2378/7552 (31.4 %) : 01:24:19
サブ3.5 1266/7552 (16.8 %) : 01:16:21
サブスリー 452/7552 (5.98%) : 01:09:39
サブ2.5 38/7552 (0.5 %) : 01:01:37
LIMITATION
- あくまで割合を軸に検討を行った結果であり、運動能力を軸に検討を行ったものではないということ。マラソンでサブスリーが出来るならば、富士ヒルでシルバーが出来る(=生理学的な要求として同等である)、という主張には繋がらない。富士ヒル○○分の選手がマラソンを△△で走ったので、これが生理学的な相同タイムである、という主張は出来ない……のは直観的に理解できるはず。あくまで、1つの指標を提示したに過ぎない
- 本気で検討するならば、どちらの競技にも慣れているデュアスロン選手に走ってもらうのが良いと思うが、やはり特異不得意が出てしまうだろう。
- 2大会の規模は、男子だけでも7845 vs 4360と規模に大きな差があるため、やはり結果の解釈には慎重になるべきである。参加人数が多ければ多いほど、上位○○ %の運動能力は高くなるはずである。
- 記録が利用できるものとして金沢マラソンを使用したが、自転車乗りにとっての富士ヒルクライム規模の大会は、マラソンランナーにとっての東京マラソンになると考えられ、その際はもっと結果が変わってくるであろうということ。
- 金沢マラソン自体、前半にややアップダウンが存在するレイアウトであり、結果の解釈には慎重になるべきだろうとも思われる。