【10/22~10/28】1週間の練習レビュー【炭水化物の摂取量は?】
#サタデーイブニングシリーズ #Saturday evening series (SES)
毎週土曜日昼くらいに一週間のマラソン練習を振り返り、反省点を抽出していく取り組みです。3日坊主なのでいつまで続くか分かりませんが、競技力向上の為に続けて行きます。
- 1週間の練習レビュー
- 炭水化物の補給について
- 75% VO2 maxで90分走れば筋グリコーゲンは枯渇する
- アルコールは肝グリコーゲンの再生には役立たない。
- 1日当たりどれくらい炭水化物を摂取すれば良いか?→ 運動時間によって推奨される炭水化物の摂取量が異なる。
- 70 % VO2 maxでの運動に週12時間以上取り組んでいる競技者は体重1 kgあたり8–10 g/dayの炭水化物摂取量を推奨する
- 70 % VO2 maxで90分以上の運動を行う場合には、開始前4時間以内での体重当たり1-4 gの炭水化物摂取が推奨される
- (上記に関連して)Reactive hypoglycemiaという概念がある。
- 2部練習など、グリコーゲンの急速な回復が必要な場合(回復時間4時間未満)には以下の戦略が推奨される。
1週間の練習レビュー
内容
来週はレースということで土日でガッツリと走り、そこから負荷を落としていく想定。
10/22 (土) 19.25 km 変化走 (avg. 4'32", HR 145 bpm), 1.53 km (down)
10/23 (日) 15.34 km (avg. 4'43", HR 139 bpm, 5 km E-M → 5 km LT-VO2max) +
4.18 km (avg. 5'20", HR 128 bpm)
4'23", 4'36", 4'43", 4'53", 4'59" → 4'04", 4'07", 4'06", 4'01", 3'55"
10.01 km (avg. 5'07", HR 123 bpm)
ここまで50.31 km
10/24 (月) オフ
10/25 (火) オフ
10/26 (水) 6.13 km (avg. 5'14" , HR 122 bpm)
10/27 (木) 10.02 km (avg. 5'02" , HR 131 bpm)
10/28 (金) 10.01 km (avg. 5'11", HR 121 bpm)
Total: 70.47 km
反省
■ レース前のテーパーを意識するならば、平日の練習の流れを逆にするべきでは?
→ メンタルが疲れていたこともあり、うまく出来なかった
→→ レース前のメンタル管理は課題である。走ること以外にやることがないと何をしていいかわからない症候群。仕事の勉強をする、何かを作る、など他にやっておきたいことをリストアップしておくこと。
炭水化物の補給について
練習量や強度を増やしていくのにあたって、どうしても週の練習回数が増えてくる。その結果として、疲労が抜けない感覚があり、この感覚が練習の妨げになることが良くある。従って、この感覚と上手く付き合う必要があるのだが、そもそもこの感覚を生じさせないためにはどうすれば良いか?
→ 筋・肝グリコーゲンが充分に再合成されないことによるのではないか?
→ では、グリコーゲンの十分な再生に必要な1日あたりの推奨される炭水化物の摂取量とは?アルコールとの関連は?
75% VO2 maxで90分走れば筋グリコーゲンは枯渇する
(https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001535.html)
アルコールは肝グリコーゲンの再生には役立たない。
例えば、ビールから100 kcal分のエネルギーを摂取した場合を考える。
アルコールは炭水化物であるから、この分のエネルギーがグリコーゲン貯蔵に寄与する、と考えてしまいがちだが、実際は異なるらしい。(詳細なメカニズムは存じ上げません)
むしろ、過剰なアルコールを代謝する場合には糖が使用される為、グリコーゲン貯蔵を阻害するのではないか、とまで考えられます。
メタ解析では体重あたり0.5 g (=日本酒でいえば200 ~ 300 ml程度) ならばリカバリーに影響がない、というデータが出ています。けれども、この解析はアルコールの代謝が得意な欧米人での研究であることに留意すべきです。日本人ではどの程度までの摂取が許容されるかのデータは存在せず、体格・遺伝子共にアルコールに弱いとされる日本人ではこの値よりも低い値である、と考えるのが妥当でしょう。
また、ある程度の人数を確保して試験を行った時に有意差が出なかった、という話であって、実際に影響がないかどうかは、注意深く記録をして調べていくのが良いと思います。
と、だらだらと書きましたが、有酸素パフォーマンスの面からは、アルコールはスポーツをやるにあたっては百害あって一利なしである、ということは把握しておくべきだと考えます。
(Alcohol and recovery: drinking to success or excess?)
1日当たりどれくらい炭水化物を摂取すれば良いか?
→ 運動時間によって推奨される炭水化物の摂取量が異なる。
1日あたり1時間以内:体重1kgあたり3〜5gの炭水化物
1日あたり1時間以上の運動:体重1kgあたり5〜7gの炭水化物
1日あたり1〜3時間の適度〜高負荷の運動:体重1kgあたり6〜10gの炭水化物
1日あたり4時間以上の高負荷運動:体重1kgあたり8〜12gの炭水化物
今日の運動で失われたグリコーゲンを補填するのですから、
1週間の運動時間が10時間だったので1日あたりは1.6時間弱に相当するのでこれくらい取るべきだろう、
と平均した結果を食事に反映させるのではなく、
今日は2時間運動する予定だから、6~10 gくらい摂取しておこう、
と1日単位で考えるのが妥当と考えます。
(【マラソン&ランニング】栄養管理・補給の基本を学ぶ | 方法 レッドブル)
70 % VO2 maxでの運動に週12時間以上取り組んでいる競技者は体重1 kgあたり8–10 g/dayの炭水化物摂取量を推奨する
最大酸素摂取量 (VO2max) に対しての現在の酸素摂取量 (VO2now) の割合である%Vo2max (VO2now/VO2max) は測定しにくいので、この値とほぼ同一とみなせる%HRRで概算 (イメージ) するのがよいと考えます。
%HRRは練習の心拍数 ÷ (最大心拍数-安静時心拍数)で求められます。
たとえば、練習の平均心拍が138だったとして、最大心拍数が180、安静時心拍が40の競技者ならば、%HRRは0.7ということになります。結構しんどくないですか?
(Kerksick et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition (2017) 14:33)
70 % VO2 maxで90分以上の運動を行う場合には、
開始前4時間以内での体重当たり1-4 gの炭水化物摂取が推奨される
練習前にご飯食べませんか?という話です。
(Kerksick et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition (2017) 14:33)
(上記に関連して)Reactive hypoglycemiaという概念がある。
これは、運動の45〜30分前に糖質を摂取すると、運動開始直後に低血糖になるというものである。メカニズムは、筋肉の収縮による血糖取り込み効果とインスリン分泌による血糖取り込み効果が重なって起こるとされている。
この現象によるタイム低下等こパフォーマンス低下効果については報告によって結果が異なっており、一致した見解は得られていない。しかし、このような現象が確認されている以上、運動前の糖質摂取は2時間前、もしくは30分前などに行うのが良いかもしれない。
(スポーツ栄養学、Kerksick et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition (2017) 14:33など参照)
2部練習など、グリコーゲンの急速な回復が必要な場合(回復時間4時間未満)には以下の戦略が推奨される。
a) 積極的な炭水化物の再供給(1.2g/kg/h)
b) カフェインの添加(3-8mg/kg)
c) 炭水化物(0.8g/kg/h)とタンパク質(0.2~0.4g/kg/h)の併用
(Kerksick et al. Journal of the International Society of Sports Nutrition (2017) 14:33)